地域の環境や人々に支えられ歩むマルモ製炭所

​マルモ製炭所は伊勢志摩地方の海岸近くの森に生えるウバメガシだけを原木にして備長炭を生産しています。この地方はウバメガシが豊富で、良質な備長炭を焼く環境に恵まれています。ただ、炭を生産する技術は、「これで完璧」というものがありません。窯に原木を詰めて、余計な成分のない炭に仕上げるには、窯内の空気を微妙に調整したり、窯から炭を外に出すタイミングなど、経験によってしか知ることができない勘を養わればなりません。今はほぼ一人で作業にあたっていますが、伝統を絶やさないためにも、できるだけ若い職人たちと共に、地域独自の炭(ブランド)を作り上げていきたいと考えています。

​マルモ製炭所が全国放映の映画「半世界」(阪本順治監督)のロケ地にもなりました。

この作品は伊勢志摩地方が舞台に選ばれて、タレントの稲垣吾郎さんが、30歳半ばの主人公の炭焼き職人として、同郷の友人(俳優長谷川博巳さん)らと織りなす人間ドラマが描かれました。第31回東京国際映画祭(2018年)コンペティション部門に出品され、観客賞を受賞しました。マルモ製炭所の窯でロケが行われましたが、炭焼きの手順などを指導させて頂くうちに、映画を作り上げる「職人」たちの情熱が伝わり、仲間と目的に向かって共に助け合い切磋琢磨する姿勢に感激しました。逆に、炭を焼く行為も、一人でやっているようで、多くの人々に支えられていることを教えられました。私は40歳を過ぎ建築の型枠職人から炭焼き職人に転身しましたが、人生の「半分」を、どう暮らしていくのかを考えるとき、第二のふるさとである伊勢志摩で、この地域に貢献できるブランドの炭を生産していくことが、この地で知り合い助けらた人々への恩返しではないかと思っています。

      マルモ製炭所 代表・森前栄一

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